「劇場」

制作 2020年 監督 行定勲
主演 山崎賢人、ヒロイン・松岡茉優

今から40年以上前ですが、僕の青春時代に封切られていたような青春映画のように思いました。当時、日活の青春映画として「赤ちょうちん」とか「妹」といった映画をオールナイトで見ていました。今は「オールナイト」という言葉さえ聞かなくなりましたが…。

今はコロナの影響で24時間営業が少なくなりつつありますが、昨年までは24時間営業なんてものはごく普通の営業形態でした。しかし、僕の青春時代(つまり40年以上前のことですが)は深夜まで営業しているお店はほんの稀で、限られたお店しか開いていなかったのです。

ですから、映画の「オールナイト」も青春の一ページだったわけです。

そこで「劇場」ですが、出てくる場所は下北沢ですが、ここも僕が社会人2年目に1年間勤めていた場所で、なつかしさを感じました。当時から、若者の街で青春の場所でした。話は変わりますが、数年前仕事で下北沢駅近辺に行ったときに柄本明さんを見かけました。まだ奥様が元気なころでお二人で犬の散歩をしていました。

僕の青春時代、下北沢と似た雰囲気があったのは高円寺です。ここも今現在でも青春のたまり場となっていますが、売れる前の音楽家さんとか漫画家さんとか、アーティスト関係の人たちがたむろしている地域です。僕は、バイトで知り合った先輩が高円寺の隣駅の阿佐ヶ谷に住んでいましたので、よく夜の10時ころに卓球をやりに行っていました。

ああ、青春。

そんな僕からしますと、「劇場」は日活の青春映画を彷彿させる内容でしたが、終わりのほうで主人公・永田役の山崎さんがヒロイン・沙希役の松岡さんを自転車の後部座席に乗せて桜の木の下を二人乗りする場面が一番好きでした。山崎さんがずっとひとりでしゃべり続けるのですが、無性に青春しているように感じました。

最近、なぜか頭の中に元Boowyの氷室京介さんの「ダイヤモンド・ダスト」が流れるようになっていたのですが、その延長として「クラウディハート」も流れるようになっていました。「クラウディハート」をネットで検索しますと、コンサートのライブ映像が放映されるのですが、氷室さんはこの歌を紹介するMC部分でこう言います。

「まだ10代だったころ、つき合っていた彼女と暮らしていたんだけど、なんの仕事をしても長続きしなくて、ヒモみたいな生活していたんだけど、結局、その子は新しい彼氏ができて出て行っちゃったんだけど、俺はそのかわりこの歌を作りました…」

青春時代は、ほかの人を傷つけながら過ぎていくものなのかもしれません。

最後に、この映画の感想としては、僕のような年代はともかく、今の若い人は共感できるのかなぁ、と思いました。

それでは、また次回。

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