<yesterday>

製作:2019年(アメリカ) 監督 ダニー・ボイル
出演者: ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ジョエル・フライ

アマゾンプライムは古い映画が多いのですが、今作は珍しく昨年製作の作品でした。以前ラジオで町山智浩さんがこの映画のことを紹介していましたので、観る気持ちになりました。

この映画を観ていて、思い浮かんできたのが「バックトゥザフューチャー」です。この映画自体は過去に戻る話ではありませんが、主人公が実際の世界とは異なる世界にワープするという点は同じです。この映画でもそうでしたが、時代をワープするきっかけには雷と言いますか、世界が暗くなることが向いているようです。

人によっては「安易な発想」と指摘する人もいるかもしれませんが、観る人に「時代をワープするんだな」と思わせる効果があるように思います。前から書いていますが、映画を見ているときに、出てくる人に似ている人が思い浮かぶのですが、この作品では主人公の真相を知っている夫婦として登場する50代半ばの女性がドイツのメルケル首相に似ていました。

全体を通して感じたのは、いい悪いは別にして「いかにもアメリカ的」といった雰囲気がすることです。感動はするのですが、「大感動」ではなく「それなりの感動」という程度と言ってしまいますと、感動した人に怒られそうです。しかし、ズバリ悪くいってしまいますと「ありきたりな米国映画」といったところでしょうか。ですが、繰り返しますが、「それなりの感動」をするのは間違いありません。

エド・シーランさんという世界的に有名なミュージシャンが本人役で出演しています。僕は名前だけは知っていますが、どれだけ凄い人かは実際にはわかりません。そのすごさを知っている人からしますと、そこもこの映画の見どころと言えそうです。

「ありきたり」と思ってしまうのは、結局は「有名になり、成功することもいいが、人間としては普通に大地に足をつけて地道に人生を送ることのほうが幸せ」と訴えているところです。僕はエド・シーランさんの有名さを知りませんが、この方が超有名で金銭的に成功者でありながら、普段の生活ではごく自然にふるまっている人であることは知っています。外見からも伝わってきますが、僕の推測では、この映画の主張したいことに共感して出演を快諾したように思っています。

僕はビートルズ自体についても、もちろん音楽史に残るバンドであることは知っていますが、本当の意味での凄さは知りません。年代というよりは洋楽にあまり興味を持たない人間ですので詳しくないことが理由です。

そんな僕でも「yesterday」は知っていますし、「Hey jude」も知っています、もちろん「Let it be」も知っています。そんな僕が、映画の中で「yesterday」を聞いて本人の声で聴きたくなり、youtubeで聴いてしまいました。それまで歌詞の内容を知りませんでしたが、きちんと聴きますと、なぜか感動するものがありました。不思議ですね。

ラーメン店時代、アルバイトをしてくれていたフクちゃんという学生さんがいました。フクちゃんはギター部に所属しており、部長を務めるほどの実力の持ち主でした。そのフクちゃんはビートルズについてとても詳しく、ギターでの演奏ももちろんうまいのですが、歌詞の内容もすべて知っているようでした。

フクちゃんがバイトしていた頃、僕は甲斐バンドの甲斐さんが新曲を出していたのですが、その歌の歌詞には英語の部分がありました。僕は歌っている歌詞がわからなかったので、フクちゃんに「それらしい歌詞」でフクちゃんに歌ったところ、なんとフクちゃんはバッチリと歌詞を言い当てたのです。

あとで調べてわかったのですが、僕の適当な歌詞を正しい英語に直せるなんて、僕はフクちゃんを尊敬したのは当然です。そんなことができたのも、ビートルズの英語の歌詞をなんども聴いていたからに違いありません。フクちゃんのビートルズファンぶりがわかるエピソードです。

映画を観終わってからフクちゃんのことも思い出した次第です。

また、次回。

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