「麦子さんと」

制作:2013年  監督:吉田恵輔監督

今は芸能界を引退した堀北真希さんが主演の映画ですが、この前年にNHKの朝ドラで「梅ちゃん先生」(2012年)で主演を務めています。時系列からしますと、この映画の頃は堀北さんはブレイクしてすでに数年経っており、主役を務めるほどの俳優になっていましたが、堀北さんの魅力が伝わる映画でした。

監督は吉田恵輔さんという方で、7年の歳月をかけたオリジナル作品だそうです。一言で言いますと、「とても面白かった」です。いくつかの映画サイトの評価をみますと、それほど高い評価ではないのですが、僕は満点に近い評価をしてもよいと思うほどいい映画でした。

堀北さんはあの伝説のドラマ「野ブタ。をプロデュース」(2005年)で世間一般に知られたのだと思いますが、僕が堀北さんを知ったのはもっと遅くNHK朝ドラ「梅ちゃん先生」でした。朝ドラの頃はもう既に大物感が醸し出されていましたが、「麦子さんと」では立派に主役を務めている感がありました。

ドラマの後半で、堀北さんが人としての嫌な一面を出す場面がありますが、あの場面がこの映画の一番の見どころのように思います。この映画は、ドラマになるような特別なことが起きるわけでもなく、感動的な展開があるわけでもありませんが、人の心の中にある襞が伝わってくる映画です。それを「見事に堀北さんが演じた」という印象です。

堀北さんの引退までの流れをみてますと、華やかな芸能界に未練がありそうでもなく、地道に人生を生きる道を選んだように感じます。どこか「麦子さんと」とつながって見えるのは、「素直」という共通点があるからでしょうか。

僕が勝手に堀北さんのライバルと思っているのは、綾瀬はるかさんです。綾瀬さんについては先々週「ICH」という映画で書きましたが、堀北さんとは反対に芸能界で生きていくのが似合っている感があります。年齢は綾瀬さんのほうが3つほど年長ですが、天然がある分若く見えます。

堀北さんは結婚に際して、「0日交際」が話題になりましたが、堀北さんから浮ついた雰囲気が感じられなかったのは好感でした。映画の主人公、麦子さんも素直が感性で最後はお母さんと打ち解けていってよかった、と心底思いました。

「心底」から感じたのは、僕が自分の母親のことを思ったからです。僕のお母ちゃんは昨年亡くなりましたが、麦子さん同様いろいろなことが思い出されました。親子でも人間関係って難しいですよね。

また、次回。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする