<リバーズ・エッジ>

製作:2018年製作
監督:行定勲
出演者:二階堂ふみ、吉沢亮

NHKの朝ドラ「エール!」が再開しましたので、二階堂ふみさんに興味が湧き、この映画を観ました。一応予備知識を持つために内容を調べてみますと、漫画が原作ということがわかりました。しかし、僕のようなおじさんが観るにはちょっと「年代違い」という印象を持ちました。それでも観る気になったのは、この「リバーズ・エッジ」という題名に惹かれたからです。

「なんとなく」としか言いようがないのですが、この「リバーズ・エッジ」という題名に覚えがあるのです。漫画で知っていたのか、映画公開のときかは定かではありませんが、記憶の片隅に残っていた「リバーズ・エッジ」でした。しかし、「記憶に残っている」というのも勘違いで、単なる思いつきという可能性もあります。

文字と言いますか、言葉の響きと言いますか、どちらかはわかりませんが、とにかく「リバーズ・エッジ」が心の底にストンと落ちたのは間違いありません。なので観る気になったのです。そして、観始めますと、最初の場面は二階堂さんがなにかのインタビューに答える映像が出てきました。この映像を観た第一印象は「いかにも映画」という感想です。

監督は行定さんですが、映画全体からちょっと昭和の雰囲気を感じました。公開は2018年と決して古くはありませんが、全体的に昭和感を感じました。漫画の原作が発表されたのは平成6年(1994年)と昭和ではないのですが、僕が昭和生まれの人間ということで「昭和らしい」と感じてしまうのかもしれません。

平成6年の原作ですので、出てくる通信手段がかなり古いです。もちろんスマホはありませんし、ガラケーも出てくる前のようです。その証拠に映画の中で使われる通信手段は公衆電話だったり、家の中では親回線にかかってきた電話を子供たちの各部屋のつなぐ方式になっていました。僕からしますと昔の通信手段は不思議でもなんでもありませんが、今の若い人が観てどのように感じたのか、気になりました。

映画を観ながら最も感じたのは当時の高校の生活模様です。今から25~26年前のことですが、簡単に授業をさぼったり、タバコを吸ったり、不純異性交友関係を結んだりしていたのでしょうか。この漫画がヒットした理由は、当時の「若者の心を掴んだから」だそうですが、一般の高校生がそこまで進んでいたとは思えません。

いつの時代もそうですが、マスコミ等で報じられることは、特別な事例が多いことがほとんどです。例えば、渋谷で発生した「ガングロの女子高生」なども、確かに生息はしていましたが、全体からするとその割合は少数で、ごく普通の高校生はそこまで激しい若者文化には染まっていませんでした。

高校生を取り上げる映画やドラマなどを観ていていつも思うのですが、高校の雰囲気を決めるのはその高校の偏差値だと思っています。偏差値の高い高校は、やはり真面目で勉学に励む校風ですし、反対に偏差値の低い高校は荒れた学風になっています。その意味で言いますと、自分の希望する高校生活を送りたいなら、ある程度偏差値の高い学校に進学する必要があります。そのためには中学時代にある程度の成績を取っている必要があります。

話がそれてしまいました。映画に戻りますと、この映画での二階堂さんを観ていますと、演技力の素晴らしさを感じます。公開時のことを僕は知りませんが、二階堂さんのフルヌードの場面がありましたので、僕の推測ではそれを前面に押し出して宣伝した可能性があります。

「惜しげもなく」という言葉が相応しいほど二階堂さんが脱いでいます。二階堂さんは「度胸がある」と言いますか、尖った性格の持ち主のイメージがありますが、そのイメージを存分に出した映画となっています。

フルヌードも素晴らしかったですが、僕が感心したのは演技力です。それは二階堂さんの相手役を務めた吉沢亮さんにも言えるのですが、二人に共通するのはNHKの朝ドラに出演していることです。

朝ドラに限らないのですが、ドラマなどを観ていて、最近僕が強く思うのは配役の妙です。その配役を決めるのはプロデューサーだと思いますが、業界の端から端まで万遍なく細かく丁寧に俳優さんを見ているのだと思います。そうでなければこれほどピッタリな配役などできないでしょう。その目配りの素晴らしさに感動しています。

最近は1990年代頃の漫画をドラマや映画にするのが多いようですが、当時漫画に熱中した若者がテレビ局などに入り、プロデューサーなど権限を持った役職に就いているのではないか、と想像しています。もし、そうであるなら30年前と現在で、若者の感性があまり変わっていないことを示しています。

はて、この現象はいいことなのか、悪いことなのか…、…。

では、また。

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