リヴァプール、最後の恋

製作:2017年(米国)
監督:ポール・マクギガン
出演者:アネット・ベニング、ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ

アマゾンプライムは古い映画が多いように思っていましたが、2017年と割に新しい年代の映画でした。「年老いた」と言ってしまっては失礼ですが、それなりにお年を召した大女優と若い男性俳優の恋物語です。先にあらすじを読んだのですが、イメージとしてはちょっと古めかしい昔の映画っぽい匂いを感じました。その先入観があっただけに、観終わったあとに製作年を調べて意外に思いました。

主演の女優さんも物語を地で行けそうな方でしたが、若いころにその美貌さで売れていた女優さんは、老いることを恐れていない感じがします。ブリジッド・バリドーさんもオードリーヘップバーンさんも年老いてからも堂々とカメラの前に立っていました。本当に美しい人は、「美しさは若い方が素晴らしいに決まっている」と悟っている感があります。

主演の女優さんがバストのトップまでも見せていたのが驚きでした。普通の方ですと、若いうちはともかく年老いてしなびたバストのトップを見せるのは、さすがにちょっと躊躇するはずです。それを堂々とはっきり見せていたのですから、やはり本当の美しさを体験した人は「度胸がある」と言いますか、肝が据わっています。

映画は親子ほども年が離れた男女が恋をする内容ですが、僕の感覚ではちょっと無理があります。このように書いてしまいますと、批判を受けそうですが、男性は一般的に若い女性の肉体のほうを好む傾向があります。その証拠にキャバクラなど色気をウリにしている飲食店は若い子がほとんどです。

紀州のドンファンのいう方が一時期マスコミを騒がせましたが、この方は若くてきれいな女性を抱くために30億円以上つぎ込んだと著作に書いています。政治家やお金持ちの人が囲っている愛人は若い女性がほとんどです。このように普通の男性は若い女性を好むものですが、この映画はその反対のケースです。それが僕としては、理解しがたいというのが正直な感想です。

飲食店を営んでいた僕の経験からしますと、年の離れた夫婦で営んでいるお店の場合、店主とそこにバイトに来ていた若い女の子が結婚するパターンが多いです。「女の子」と表現したのは、高校生くらいの女子がバイトで来てそのまま結婚することが多いからです。

飲食店の自営業ですと、仕事以外の時間を確保することはほとんどありません。ですので、身近にいる女性と付き合うのが自然の成り行きです。女の子の側からしますと、年の離れた男性は立派な大人に見えますし、しかも経営者ですので頼りがいのある男性と感じるのは当然です。同年代の男の子と比べて、魅力を感じないほうが不思議です。このようにして尊敬と好感がないまぜになり、そのまま結婚に至ります。

しかし、このようなケースは破綻するのもありがちなことです。これは飲食店の夫婦に限らないのですが、女性の年齢が若いときに結婚した年が離れた夫婦は破綻する確率が高くなります。その理由は、女性が年を重ねるに従い、世の中の広さを知り、男性を見る目が養われ、夫に対する気持ちが変化するからです。

昔、たまに食べに行っていたラーメン店はカウンターだけの小さなお店でした。このお店は先ほど紹介しました夫婦の典型的なケースでした。店主は30後半の頃にバイトに来ていた高校生と、彼女が卒業すると同時に結婚しました。僕が食べに行った時期は、結婚してから20年くらい経っていた頃ですが、30代後半になっていたその奥さんが近隣の商店街の人と話しているのが聞こえてきました。奥さんは旦那の愚痴を延々と話していたのですが、そのほとんどは旦那さんの年寄ぶりに対してのものでした。若いころにそこまで想像するのは無理というものです。

このご夫婦とは反対に、この映画のように男性が一回り以上年下の夫婦も僕は知っています。そのご夫婦は奥さんが70才くらいで結婚してから20年以上経っていますが、それでも仲良く幸せそうに暮らしています。夫婦は結局、周りからどう見られようが大切なことは相性です。年齢でも趣味でも考え方でもありません。

年齢が離れていますと、趣味も違うでしょうし、考え方も違っていて当然です。それでも仲良く暮らしていけるのは、もちろんお互いを大切に思う気持ちも重要ですが、それも含めて相性のように思います。これは僕の実体験も含んでの答えです。(笑)

それでは次回。

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