「1917 命をかけた伝令」

製作:アメリカ(2019)
出演者:ジョージ・マッケイ ディーン・チャールズ=チャップマン ベネディクト・カンバーバッチ コリン・ファース マーク・ストロング

「なんとなく知っていた」という理由で観たのですが、あとで調べますとアカデミー賞を受賞していました。観始めてすぐに画面に引き込まれたのですが、それも納得です。この映画で最も感じたことは音楽と効果音の素晴らしさです。久しぶりに耳に入ってくる情報だけで緊張感が出ました。

出だしは音楽の効果がすごいと思ったのですが、物語が進むにつれて効果音の比重が大きくなっていった印象です。映画紹介サイトによりますと、「ワンカット」で撮影していると書いてありましが、まさか全編をワンカットいうわけはありません。いったいどのあたりをワンカットで撮影したのかとても気になりました。

こういう戦争映画を観ていますと、自然と歴史にも興味を持ちますし、戦争の悲惨さについて考えさせられます。もちろん誰しも「戦争はいけない」と思っているのでしょうが、歴史上地球に戦争がない時期というのがありません。必ずどこかで戦争が起きています。

戦争に突き進んでしまう一番の理由は、止めようとする人たちが多くの支持を集めないように戦争肯定派が社会を誘導するからです。一般の人はそのことを常に意識している必要があります。しかし、外敵が攻撃してきたときは、戦わざるを得ません。それは認めざるを得ませんが、それでもなんとか戦争を回避する方法を考える政治家が出てくることを望みます。

つい数ヶ月前にイージス艦配備の中止が決まりましたが、「あれよあれよ」という間に復活しています。「配備中止」を決断したのは河野防衛大臣ですが、僕の推測では「継続」を望んでいた政治家の方々は河野さんが防衛大臣から去るのを待とうと決めていたように思います。そうでなければ「配備中止」が簡単に進んだはずはありません。

防衛という観点だけからでも意見を集約させることは困難です。これが「戦争の是非」となりますと意見を統一させることは不可能です。実は、僕自身も戦争反対ですが、外敵が攻めてきたときの対処法は決められずにいます。これは本当に難しい問題です。

戦争がはじまると、個人の自由が制限されることになります。だからと言って外敵の言いなりになってしまいますと、外敵に支配されることですから「個人の自由が制限される」どころではありません。従属を強いられます。どちらも個人にとって幸せな社会でないのはいうまでもありません。

このあたりをうまく対処してくれるような政治家こそを選ぶ必要があります。単に自分の収入の増大だけを判断基準にするのではなく、社会全体について考える政治家を選ばなければいけません。トランプ大統領時代のアメリカを見ていますと、そうしたことを痛切に感じてしまいます。

米国大統領選挙ではバイデン氏が勝利を収めましたが、決して圧倒的な勝利ではありませんでした。トランプ大統領を支持する人たちは4割以上はいるのも事実です。そして、この人たちは「アメリカンファースト」を求めている人たちです。かつての覇権国家としての矜持がなくなっているのが、現在のアメリカの状況です。

中国の経済や軍事力が伸張していますが、一党独裁という政治システムでは覇権国家としては今一つ信望が集められないように思います。バイデン氏が大統領に就任して、世界協調の流れが世界に広がることを期待しています。

また、次回。

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