「引っ越し大名」

2019年製作/120分
監督:犬童一心
出演者:星野源、高橋一生、高畑充希、及川光博、松重豊、濱田岳、…結構豪華

先日、結婚を発表しました星野源さん主演の映画ですが、周りの豪華な顔ぶれを見ていますと、そうした中で主演を張れる星野さんの凄さに尊敬です。

時代劇を経済の角度から作るようになった最初は「武士の家計簿」だと思います。実は、この本は映画化されるかなり前に読んでおり、それが映画になることを知ったときは驚きました。それまでの時代劇と言いますと、悪代官をやっつけたり、君主の敵討ちだったりと経済とは無縁の内容でしたので、最初に考えたプロデューサーの先見性に尊敬です。

おそらく僕も含めてですが、歴史は単に年表を覚えるのが重要と思っていたのですが、経済などをからめながら歴史に触れますと、興味も高まりますし、覚えやすい感じになります。このような映画を見ていますと、参勤交代とか引っ越しをする大名というのは、幕府の力を強めるための政策だとわかります。そうした全体的な構図を理解することで歴史も面白くなるというものです。

映画の内容について書きますと、星野源さんは適役だと思いましたが、高橋一生さんは少しばかり線が細い感じを受けました。役柄的には豪放磊落な人柄なのでしょうが、高橋さんの線が細すぎて豪快さが伝わりにくいように思います。高畑充希さんは、芸達者という感じです。どんな役柄でも見事に演じるイメージがあります。

一昔前の俳優さんというのは、映画が上でテレビドラマが下と考える傾向がありましたが、最近の俳優さんたちはもっと冷静でドライなように思います。これは悪い意味で指摘しているのではなく、芸能界という職場で時代を的確に俯瞰している感じです。

時代劇を見るときにいつも思うのですが、撮影場所を探すのが大変だろうな、と思ってしまいます。もしかしたなら、ロケ地はある程度決まっており、どこの映画であろうとも時代劇を撮影する場所は決まっているのかもしれません。今の時代はちょっとした山奥でも電線や舗装された道がありますので、撮影泣かせなのではないでしょうか。

この映画はビジネス映画とも言えそうです。今でいうところのリストラの話もあったり、業績が復活してみんなで喜ぶ場面があったりと、まさしくビジネス映画であり、人生映画ともいえそうです。

それでは、また。

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