「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」


2017年製作/109分/G/アメリカ
監督:ダニー・ストロング
出演者: ニコラス・ホルト、ゾーイ・ドゥイッチ、ケヴィン・スペイシー

あらすじ
1939年、コロンビア大学に編入した作家志望のサリンジャー(ニコラス・ホルト)は、自分の作風を確立するために試行錯誤していた。恩師の指導の下で執筆した短編を出版社に売り込むがことごとく断られ、ようやくニューヨーカー誌に掲載が決まった矢先、太平洋戦争開戦により掲載は見送られてしまう。そして招集され戦地へ赴いた彼は、交際中の恋人が結婚することを知る。(シネマトゥデイより引用)

僕は文学少年でも青年でもありませんでしたので、「ライ麦畑でつかまえて」という小説を知りませんでした。しかし、タイトルだけは聞いたことがありましたが、なぜか「赤頭巾ちゃん気をつけて」という映画が想起されていました。

「赤頭巾ちゃん気をつけて」も小説が映画化されたものですが、僕の青春時代に若者に人気があったはずです。「はずです」と確定しないのは、僕はそこまで好きではなかったからです。ただ、主演の岡田裕介さんが有名だったことで記憶に残っているのですが、岡田さんは東映の御曹司のうえに慶應大学でイケメンでと、当時の若者の憧れの存在だったように憶えています。

イケメンだったにもかかわらず、芸能界にはあまり興味がなかったようで、すぐに実業家のほうに転身したように記憶しています。実は昨年お亡くなりになっていますが、71才という年齢でしたので、驚きでした。

それはさておき、この映画はサリンジャーさんの半生が描かれているのですが、本が売れたことで精神的に追い込まれていくようすが描かれています。しかし、作家に限らず有名になったことで人生を狂わせる例はたくさんあります。有名になるということは、その時代の一つの象徴になることですので、それだけいろいろな風をまともに受けることでもあります。

ちょうど今、オリンピックが行われていますが、活躍すればするほど世間が狭くなり、ほんのちょっとした言動が社会に影響を与えます。そうしたプレッシャーに勝つことも有名人にとっては必要な要素です。今の時代は、SNSなどが発達して、社会からのプレッシャーが大きいと言われていますが、50年代においてもすでに有名人は生きるのが大変だったことがわかります。

その意味で言いますと、この映画は有名になることのデメリットを描いているともいえそうです。承認欲求などという言葉がありますが、承認欲求が果たせるということは、有名税を払う覚悟が求められることもでもありそうです。

そんなことを考えさせられた映画でした。

また、次回。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする