2015年製作／87分／G／日本
監督：室賀厚
出演者：宮澤美保、丸山隼人、加藤藍子、田中俊
あらすじ
小学校時代の恩師や学生時代の友人らかつて知り合いに、「お元気ですか？」と旅先から電話を掛ける藤木冴子（宮澤美保）。 旅の途中、若いカップルの仲むつまじい姿を見て表情が曇るものの、その後も電話を掛け続ける。彼女は義姉やママ友、元恋人、夫の両親ら、電話の向こうの相手に謝罪と感謝を伝え……。（シネマテゥデイより引用）
前半は自主映画のような感じがしてちょっと引いてみていましたが、後半はなかなか見応えがありました。低予算といったら失礼かもしれませんが、大手でない映画作りを実感させる作りでした。そんな中でもよくできてるよなぁ、と感じた映画でした。
映画の内容が、先日判決が出た池袋で起きた元通産官僚の交通事故と重なる部分があり、考えさせられるものがありました。この映画では夫と娘が亡くなり奥さんが生き残っていますが、池袋の事故では反対に旦那さんのほうが奥さんと娘さんを亡くしています。最愛の人を亡くした人の気持ちは当人でなければわかりません。
映画の主人公も旦那さんの「最後の電話は全く知らない人に」という言葉に従ったことが、最後の生きる気持ちにつながったことを考えると、最後まで旦那さんが助けてくれたことになります。
この点でいいますと、この映画は「純愛」ですが、何人目かの電話相手が別れた彼氏という設定は、なにか現実的で人生の奥深さを考えずにはいられません。人間って複雑な生きものですね。
それでは、さよならさよなら。