ゲゲゲの女房

2010年製作/119分/G/日本
監督:鈴木卓爾
出演者:吹石一恵、宮藤官九郎、柄本佑(ほんのチョイ役)

あらすじ
良縁を願っていた29歳の布枝(吹石一恵)は、戦争で片腕を失った10歳年上の漫画家・茂(宮藤官九郎)とお見合いをすることに。お見合いから5日後には結婚式を挙げ、住み慣れた島根県安来から茂の暮らす東京へ出た布枝を待っていたのは、甘い新婚生活とは程遠い貧乏暮らしだった。戸惑いながらも結婚生活を始めた布枝は……。
シネマトゥデイより引用

とにかく暗い映画でした。僕は直接は見てはいないのですが、NHKの朝ドラでも同じ題名で放映していました。そこで調べましたところ、製作時期はほぼ同時らしいのですが、原作は同じでも内容はまったく別物になっているそうです。

先ほど書きましたように、テレビのほうは見ていませんが、マスコミなどで報じられていましたのでなんとなくですが、全体の雰囲気はつかめていました。その朝ドラに比べますと、映画のほうは本当に暗い感じの漂う映画でした。途中で「変な」と言っては失礼ですが、場違いな映像が幾度が挿入されてくるのですが、これが、正直に言いますと、、、全然マッチしていないように感じました。

僕的には、その「変な」映像の挿入の仕方が昔の日活映画を思い出せたのですが、監督はその流れを継いでいるのか、影響を受けているのかわかりませんが、とにかく同じ匂いを感じさせる映画手法だと思いました。

主役の吹石さんが結婚してから、もう6年も過ぎているのですね。それが驚きでした。結婚以来、芸能活動を引退したのかはわかりませんが、マスコミに出てこないのは好感です。華やかな世界を経験していますと、それが忘れられないのが人間の性というものですが、全く出てこないのは性格的には派手な世界があまり好きではないのかもしれません。そういえば、少し前に夫である福山さんが吹石さんとお子さんの隠し撮りに対して怒りを爆発させていましたが、夫婦ともにプライベートはあまり公開したくない性格のようです。

それはともかく映画ですが、幾度も書いていますように、全体的に暗い雰囲気でしたので、おそらく興行的には成功とはいえないのではないでしょうか。失礼ながらそんな気がしました。でも、僕が大好きな宮藤さんは自然な演技で素晴らしかったです。それと、思ったのですが、あれだけ歯並びが悪いと逆にかっこいいですね。そう思いました。

宮藤さんは俳優としてもすごいですが、脚本家としてもずば抜けた才能の持ち主なのですから、大谷翔平さんに負けないくらい「二刀流の成功者」です。実は、ラジオで「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」という番組をやっているのですが、これが面白いのです。ということは「三刀流の成功者」ということになりますが、それはともかくその番組は金曜夜にやっていますので、僕はスマホアプリ「radiko(ラジコ)」で月曜の昼間に車での移動時間中に聴いています。

それにしても「radiko」はとても便利なアプリです。ラジオ番組は流れるままに終わってしまメディアですので、聞き逃すことのほうが普通です。というよりはラジオは「ながら族」が可能な仕事に従事している人か、時間に余裕がある人でないと聞けないメディアです。

また、ラジオはその特質上地域的に制限がありますが、「radiko」はインターネットを活用していますので場所を選びません。そして、先ほども書きましたように、好きな時間に聴くことができます。これほど聴く側にとって重宝するアプリはありません。時代が進んで本当によかったと感動しています。

ちなみに、「radiko」が聴けるのは1週間以内の番組と決まっていますのでお気をつけください。

それはともかく宮藤さんのお話です。「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」という番組を聴いていますと、工藤さんのMCとしての能力の高さにも驚かされます。なにしろ、とにかく面白いんです。どんなゲストが来ても楽しい番組になります。

それはともかく、ゲゲゲのお話です。映画の主人公は水木さんなのですが、水木さんが売れるまでの貧乏時代を描いています。これが尋常ではないほどの貧乏なのですが、どんなに売れなくても自分の描きたいことだけにこだわって続けている姿が感動的でした。

ですが、成功できたのはたまたま時代が動いたからともいえそうです。簡単に言ってしまいますと「運がよかった」に過ぎないことになります。漫画界を取り巻く環境が「貸本屋」時代から「週刊誌」時代へと移行していったからこその水木さんの成功でした。それを思うとき、現在の漫画界を取り巻く環境と似ている、と思いました。今の漫画界は週刊誌からネット界へと時代が変遷しています。もしかしたなら現在起きている漫画界を取り巻く時代の変遷で、これまで不遇をかこっていた漫画家が新たな成功者になることもありそうです。

経営学者ドラッカー氏は「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけだ」諭していましたが、「ときの運」で先頭に立つこともあり得ることを水木さんは示しているように思います。

それでは、さよならさよなら。

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