ファースト・マン

2018年製作/141分/G/アメリカ
監督:デイミアン・チャゼル
出演者:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、エド・カイル・チャンドラー、

あらすじ・解説
幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。

ハリウッドはこのような宇宙をテーマにした映画を定期的に作っているように思います。まだ観ていませんが、前に「ゼロ・グラビティ」という宇宙空間に投げ出された宇宙飛行士の映画もありましたが、技術力を世界に訴えたいのかもしれません。

そして、その技術力は十分に観ている人に伝わります。月の場面などは一つ間違えますと、「作り物」観が前面に出てしまい、チャチィ映画になってしまいそうですが、見事に緊迫感を醸し出していました。

観ている人をドキドキさせるのは普通でしょうが、これだけの技術力がありますと、ドキドキ感を通り過ぎて緊張感までを感じてしまいます。観ているだけで緊張感を感じてしまうのですから、どれだけ真実味があるかが想像できると思います。

あと映画を観ていて興味深かったのは60年代の米国の生活ぶりがわかることでした。さらに当時の人種差別の視点も、少しですが出てきて今の米国に時世を映し出している印象を持ちました。黒人のラッパーらしき若者が「黒人が貧乏をしていて、白人は月へ」という言葉は今の時代にも通じるものがありそうです。

映画の最初のほうで描かれていた、主人公が宇宙飛行士に応募する場面で、民間人と軍関係者の対立性を描いていたのも興味深かったです。いつの時代も、そしてどこの国でも所属する組織で対立があることに不思議さを感じました。時代や場所が変わっても人間性は変わらないんだなぁ、と思った次第です。

最近、なにかの記事でも読んだのですが、米国はアポロ計画で宇宙への進出を成功させていますが、それ以前はソ連のほうが科学的には先に進んでいたようです。しかし、現在はかなり差がついていますが、その点においては社会主義よりも資本主義のほうがまさっているようです。

最近ウクライナでは米ロの対立が起きていますが、根本的なことを言いますと、経済力ではロシアは米国の10分の1程度しかないそうです。また、国際決済のシステムが米国が中核を押さえていますので、米国が本気で経済制裁をしたならロシアは早番経済破綻するそうです。その意味でロシアが侵攻する確率は低いはずですが、自暴自棄ということも考えられます。戦争はちょっとしたはずみで起きるのが一般的だそうですから、そうした不安がないともいえません。

それにしても宇宙飛行士って勇気といいますか、度胸がなければできない仕事です。僕は閉所恐怖症ですので、僕のような人間は度胸以前に宇宙飛行士の資格はないことになります。僕は10キロ四方くらいの狭い範囲でほそぼそと暮らしているのが幸せです。

しかし、僕のような小心者ばかりが世の中にいては科学の進歩はありません。やはり、危険を冒すこともいとわないような勇気ある人も世の中には必要です。この映画を観ていてつくづく思ったのは、科学の進歩って多くの人の犠牲の上内成り立っているんだなぁ、ということでした。

それでは、さよならさよなら。

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