わが名はキケロ ナチス最悪のスパイ

2019年製作/126分/トルコ
監督:セルダル・アカル
出演者:エルダル・ベシクチオール、ブルジュ・ビリジック、エルタン・サバン、
ムラート・ガリバガオグル、タマル・レベント

あらすじ
ナチスドイツ、大英帝国、トルコ共和国の三つどもえの中を生き抜いた実在のスパイ、キケロの数奇な人生を描いたサスペンスドラマ。第2次世界大戦中のトルコ。キケロはトルコをドイツ側に味方させまいとする英国大使のもとで働いていたが、やがて連合国側の極秘文書をドイツ大使館に提供するように。そんな中、キケロはドイツ大使館で秘書として働くシングルマザーのコルネリアと恋に落ちるが……。
(映画.comより引用)

今のこのときですので、タイトルに惹かれて「観てみよう」という気持ちになったのですが、サスペンスもあり、美女も登場し、話の展開もとても面白かったです。製作がトルコになっていたのが気になりましたので少し調べました。

トルコという国の名前を聞いて、真っ先に思い浮かぶのはとエルドアン大統領です。どちらかと言いますと、あまりよい印象を持っていないのですが、独裁者とまでは言いませんが、かなり強権的なイメージがある大統領です。そうした人が政権トップを務めている国でこの映画のような民主的な内容の映画が製作されていたことに不思議な気がしました。

また、トルコは西側諸国と相対しているイスラム教を信じる国家ということも関係していましたが、イスラム教を信じる国でもいろいろな国があるようで、トルコは世俗的なイスラム国家ということでした。普通に考えて、タリバンが支配するアフガニスタンのような厳格なイスラム国では、このような映画が製作されることは絶対にないはずです。

この映画で最も訴えたいことは優性思想を非難することでした。出だしでダウン症の幼い弟さんをナチスによって殺された主人公の悲しさが最後の最後までつながっていました。ネタバレになりますのであまり詳しくは書きませんが、ありきたりな展開でも観ている人を感動させることができるんだ、と感動した次第です。

主人公を演じる男性は度胸があり、肝が据わっているのですが、男の中の男といった感じです。決してイケメンではないのですが、主人公にふさわしい俳優さんでした。主役女性の方もハリウッドからモナコ妃となられたグレース・ケリーさんを彷彿させる美貌の持ち主でした。僕が知らないだけで、世の中には素敵で実力も備わった俳優さんがたくさんいるのでしょうね。そう思いますので、死ぬまでにもっともっと映画を観ていきたい所存です。

それにしても、ロシアの軍事侵攻は許せません。プーチン大統領は、まるで映画に出てくる典型的な悪役がやるようなことを実際に行動に移しているのですからなにをかいわんやです。その意味で言いますと、ウクライナのゼレンスキー大統領も、元々はコメディアンだそうですので、大統領を演じている気持ちでいるのかもしれません。そのくらいの気持ちでいないと、あれだけ緊迫した中で正常心を保つのはできないでしょう。誰が見ても立派な大統領です。

今のロシアを見ていますと、全員がプーチン大統領に従っていますが、だれか一人でもいいので止める人が出てこないでしょうか。昨日のニュースでは原発にまで攻撃しているとのことですが、原発が爆発する恐怖を考えないのでしょうか。一つ間違えますと、ウクライナどころかEU、ロシア自身にも被害が出る可能性があります。ロシアの中で、本当のだれか一人でもよいので諫める人が出てきてほしい、と願っています。

毎日毎日、ウクライナのことが気になって仕方がない僕です。

それでは、さよならさよなら。

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