007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

2021年10月1日公開
監督:キャリー・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ レイフ・ファインズ ナオミ・ハリス ロリー・キニア レア・セドゥ ベン・ウィショー ジェフリー・ライト アナ・デ・アルマス

あらすじ
諜報(ちょうほう)員の仕事から離れて、リタイア後の生活の場をジャマイカに移した007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、平穏な毎日を過ごしていた。ある日、旧友のCIAエージェント、フェリックス・ライターが訪ねてくる。彼から誘拐された科学者の救出を頼まれたボンドは、そのミッションを引き受ける。

悪役の人が「どこかで見たことあるなぁ」と思っていたら、ボヘミアンラプソディーで主演をしていた人でした。「役によって、イメージが全然違うんだなぁ」っと感心した次第です。娯楽映画という括りだからかわかりませんが、女性の裸やエロチックな場面が全くないのに驚きました。

一応、最初のほうできれいな女優さんがセクシーな恰好でアクションをする場面がありましたが、それもほんのわずかで、今の時代に、というか今の時代だからかもしれませんが、セクシー場面がほとんどなかったのが印象に残っています。

観始めて最初に思ったのは、「やっぱり、007はショーン・コネりーだよなぁ」と思ったのは、僕が60代半ばのオジサンだからでしょうか。でも、主役を務めていたダニエル・クレイグさんは背も大して高くないのに、やはり存在感があったのは「さすが!」と思わせるものがありました。

物語の展開に関していいますと、正直なところ、さほど新鮮味も感じられず「ありきたり」とか「ありふれた」といってはかなり失礼とは思いますが、そう思いました。ですが、アクションシーンは「さすが007」と思わせる場面がいくつもあり、目を見張りました。

それから、西洋映画を観ていますと、主人公がどんなに危機に瀕していてもユーモアを言う場面があるのですが、そうした行為は主人公の度胸の良さとか器の大きさを示そうとしているように感じます。日本でも、アニメのルパン三世ではそうした場面がありますが、危機的な状況になっても慌てず騒がずユーモアを口にするのはヒーローの一つの典型のようです。

そうしたときに思い出すのが、1997年に起きたペルー日本大使館の事件です。この事件はテロリストが駐ペルー日本国大使公邸襲撃および占拠したのですが、最後は警察が強行突入をして解決しました。そのときに人質になっていた日本大使が解放されたあとにマスコミから取材を受けたのですが、その第一声が「タバコを吸わしてください」というものでした。おそらくその大使は、銃撃戦の中をかいくぐって生き延びたあとでも余裕をあるところを見せる意図があったのだと思いますが、多くの日本人から大顰蹙を買っていました。

外国の方が行うと「恰好いい」ことが、日本人が行うと「みっともない」ということがありますが、この事件の大使の振る舞いはまさにそれでした。映画俳優ではないのですから、あの場面で格好つける必要はありません。それがわからない人が外国大使館のトップを務めていたことが問題といえば問題といえそうです。

この映画でジェームズ・ボンドが死んでしまいましたので、007シリーズも終わるのでしょうが、第1作が1962年だそうですからなんと長く続いていたのでしょう。主役を幾度か変更して続いていたのですが、それも今回で終わりです。長い間ご苦労様でした。

それにしても、あの音楽は最高でした。

それでは、さよならさよなら。

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