友情にSOS

製作国:アメリカ上映時間:105分
監督:キャリー・ウィリアムズ
出演者:RJ・サイラードナルド・ワトキンスセバスティアン・チャコンサブリナ・カーペンターマディー・ニコルズ

あらすじ
クンレ(ドナルド・エリーゼ・ワトキンス)と彼の親友であるショーン(RJサイラー)は、どちらも大学の先輩で、春休みのパーティーの壮大な夜に着手しようとしています。 ショーンは、彼らが「伝説のツアー」でヒットするすべてのパーティーを含めて、一晩を計画しています。 クンレはダウンしていますが、プリンストンへの彼の受け入れが結果に影響を与えているため、彼の研究室でのカビ実験の終了に主に関心があります。 彼らは試合前にアパートに戻ったが、ルームメイトのカルロス(セバスティアンチャコン)がドアを開けたままにしていたことに気付いた。

町山智浩さんがラジオ番組で紹介していたので観たのですが、本当に町山さんが紹介する映画にはずれはありません。しかし、町山さんも話していましたが、「タイトル」が全くマッチしていません。しかも、「サスペンス」とか「スリラー」と分類されていますが、それも全く的外れです。さらに、紹介するためのサムネイル画像も的外れです。おそらく「サスペンス」「スリラー」に合致した画像を選んだのでしょうが、観る人に誤ったイメージを与えてしまいます。僕も、一般に紹介されている「あらすじ」や「サムネイル画像」を見せられていたなら、絶対に観なかったように思います。

また、この映画を理解するうえにおいても町山さんの解説はとても有意義でした。おそらく町山さんの事前の解説がなかったなら、物語の出だしの意味が理解できなかった可能性があります。それと関連して思ったのですが、米国に住み、差別を日々感じているのであろう、だからこそ実感しているであろう町山さんだからこそのこの映画の感じ方ともいえそうです。やはり、日本に住んでいる人では感じ方が違うと思いました。

この映画を観ていて、途中からデジャブ感があったのですが、それは一晩の出来事を映画にしていることでした。この設定は「アメリカングラフィティ」です。「アメリカングラフィティ」は卒業を控えた高校生の青春だけでしたが、この映画にはアメリカの抱える人種差別問題に対するそれぞれの考え方が映し出されていました。実に、奥が深い映画です。は

映画の終わりのほうで主人公が警察官から首根っこを抑えられる場面がありますが、これは間違いなく実際にあった事件をモチーフにしています。主人公が女子高生を助けるために人工呼吸をしているところを背後から警察官に銃を向けられ、振り向くときのスローモーション、そして、流す涙はこの映画の一つの主題だと感じました。

町山さんは「日本語タイトル」を批判していましたが、このタイトルをつけたひとは、内容を見ていないのではないか、とさえ僕などは思いました。的外れもいいとこです。僕がつけるなら「民主国家への道」、ちょっと堅いか…。

この映画はおわりのほうは全体的に感動する場面が多いのですが、最後の最後の顔の表情のアップが本当に伝えたいこと、観た人に感じてほしいこと、ではないか、と思いました。

最後のあの表情は、「黒人はあの事件を忘れていないぞ!」と訴えているようでした。そして、最後に僕が書きたいことは、人種差別が今現在でも存在するアメリカですが、それでも一番すばらしいところは、こうした映画が自由に製作できることです。「これこそ民主国家たる証」と今のロシアを見ているだけに感慨深いものがありました。

それでは、さよならさよなら。

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