ローマに消えた男

制作国:イタリア、フランス
製作年:2013年
監督:ロベルト・アンドー
出演者:トニ・セルヴィッロ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

あらすじ
イタリア統一選挙を目前に控えたある日、支持率が伸び悩む野党をけん引するエンリコ(トニ・セルヴィッロ)が突然ローマから姿を消す。彼の側近アンドレア(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、急場しのぎにエンリコの双子の兄ジョヴァンニ(トニ・セルヴィッロ)に代役を頼むことにする。二つ返事で引き受けたジョヴァンニは、あっという間に人々を魅了し……。(yahoo映画より引用)

観始めてから少しして、中井貴一さん主演の「記憶にございません!」を思い出しました。「記憶にございません」はとても面白かったのですが、この映画を知ってしまいますと、なんか二番煎じのように思えて、三谷幸喜さんには悪いですが、少しばかりがっかりしました。

それはさておき、この映画はとても面白かったです。イタリアも日本と同じように、政治の世界には裏方がいて、マスコミがいて、…といろいろなことがつながって動いているところが興味深かったです。

さすが!と思わせたのが、外見といいますか、存在感だけで魅力が伝わってきた女優の方々でした。政治家の奥さん役のミケーラ・チェスコンさんと元恋人役のヴァレリア・ブルーニ・テデスキさんは、どちらも見ただけで魅力を感じました。男優陣でも参謀役のヴァレリオ・マスタンドリアさんは見事に裏方の役回りを演じていたように思います。

総合的にはとても素晴らしい映画だと思いましたが、そうであるだけに「もったいない」と感じたのがタイトルです。僕は、このコラムを書いているときに指摘することが多いのですが、「タイトルが映画の魅力を伝えていない」という印象です。前になにかの記事で、外国の映画に日本のタイトルをつけるのは、「配給会社の一般の社員さんがつける」と読んだことがありますが、専門の方にお願いするなどして、もう少し映画の魅力を伝えるようなタイトルを考えるべきです。

せっかく映画の配給権を獲得して興行成績を上げたいのですから、タイトルにもっと力を入れるべきです。なにしろ観客が最初に知るきっかけは「タイトル」です。そのタイトルを見て、その映画を観ようかどうかを判断します。ですので、タイトルは一般社員に任せるにしても、もう少しなんとか工夫をする余地はあるのではないでしょうか。下手をすると、宝の持ち腐れになってしまいます。

最後になりますが、主人公の最後のカットの笑顔がなんともいえず素晴らしかったです。

それでは、さよならさよなら。

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