ハナミズキ

2010年製作/128分/G/日本
監督:土井裕泰
出演者:新垣結衣、生田斗真、向井理、薬師丸ひろ子

あらすじ
夢のために東京の大学受験を目指す紗枝と漁師の家業を継ぐために励んでいる康平は、奇妙な縁から出会いお互い想い合うようになる。しかし、東京に上京した紗枝と釧路に残った康平は遠距離恋愛を始めるも、それぞれのすれ違いから別れを選ぶことになってしまう。そして、それぞれの道を進む2人は再び出会うこととなった。
(ウィキペディアより引用)

出だしのほうは、薬師丸さんの演技力の高さばかりが目立っていたように感じました。主人公の康平を演じる生田さんは漁師の役ですので、もう少し肩の筋肉をつけたほうがよいように思いました。新垣さんは前髪を揃えるよりも横に流すか、おでこをだしたほうがずっと素敵です。

と少しばかり意地悪な感想から入りましたが、総合的にはそう悪くはありませんでした。脚本的には、最初の展開は「木綿のハンカチーフ」の逆バージョン版といった感じで、康平が新垣さん演ずる紗枝に会うために東京に出てきた場面で、紗枝に対するやきもちから街で肩がぶつかったことでケンカになる展開は、あまりにありきたりで少しばかりがっかりしました。また、批判的な文章になってしまいました。繰り返しになりますが、総合的には許せる範囲内です。

ですので、それ以外の展開に落胆することもなく、最後の場面まで気持ちが飽きることも落ちることもなく高揚した気持ちを持って行ってくれました。ネタバレになるので書きませんが、最後の最後の回収はとてもよかったと思います。

物語とは関係ないのですが、僕が普段から答えを出せないでいる「世界を目指すエリート」の生き方と「地元に残り仲間と暮らす」生き方の対比もあり、そのあたりも興味深かったです。世界を股にかけて活躍したほうが世間的評価は高いでしょうが、だからと言って地元に残ってそこでつつましいとまでは言いませんが、地味な生き方を選ぶことも一つの人生のように思いました。

世間的には、といっても「都会の世間」限定の話では、やはり世界を股にかけて活躍するビジネスマンのほうが高評価を受けるように思います。ですが、そうではない生き方をする人がいてこその世界だと思うのです。なぜなら、世界を股にかけて活躍するビジネスマンが生活する場所も、そこに暮らしている人からすると、地元だからです。世界に地元がなければ世界で活躍もなにもありません。

実は、観る前、かなり迷いまして、観始めてあまり面白くなさそうだったら、「途中でやめよう」と思っていたのですが、そのようなこともなく最後まで気持ちが冷めることもなく、楽しめました。

ちなみに、迷う以前にこの映画が心にひっかかったのは一青窈さんの「ハナミズキ」が好きだからです。

それでは、さよならさよなら。

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