雨鱒の川

2003年製作/113分/日本
監督:磯村一路
出演者:玉木宏、綾瀬はるか、松岡俊介、中谷美紀、阿部寛

あらすじ
父を早くに亡くし、母と2人で暮らす心平は、豊かな自然に囲まれながら絵を描くことに夢中な8歳の少年。幼なじみの小百合は聴覚が不自由だが、心平とは意思が通じ合う。ある日、心平の描いた雨鱒の絵がパリの絵画展で特賞に選ばれた。祝賀会の夜、母は雪道で倒れ喜びに浸りながら息を引き取る。14年後、小百合の父、高倉の酒造で働いていた心平は、高倉の計らいで絵を描くために東京へ出ることに。雨鱒の川も小百合もいない東京で、何も描けずにいた心平に故郷から小百合の結婚を知らせる手紙が届く。
(filmarks.comより引用)

一応エンドロールでの表示では、主役は玉木宏さんと綾瀬はるかさんになっていますが、2時間中半分以上は子役が演じている時代を占めていますので、この二人が出てくるのは半分というよりそれ以下です。ですが、見応えがありました。

前半の中心人物は中谷美紀さんと子役二人で、後半もかなり過ぎた頃から玉木さんと綾瀬さんの話になります。そうした構成から思い浮かんだのは、少し前に紹介しました「ブロンクス物語」です。この映画もブロンクスという街で生活する人を描いていますが、「雨鱒の川」もこの川を中心に据えた物語のように思いました。

素人の僕がいうのもなんですが、中谷美紀は演技のしすぎです。また、中谷さんが白いシャツやスカートを着ているのですが、いくら普段着だとしても農作業をしている人があんなきれいな白色を着るのはやはり違和感を持ちます。話は違いますが、綾瀬はるかさんはまだあかぬけしていない頃のようで、表情が現在とは違うなんとなく素人っぽい新鮮な印象を受けました。

この映画の前半の要は「鱒」なのですが、その「鱒」が演技をしているように演出しています。その演技っぷりが見事で、あれはいったい「どうやってるんだろ」とそちらのほうに気をとられてしまいました。映画の後半は玉木さんが都会に出てきてマンションで暮らすようすが映し出されるのですが、その映像を観ていますと、自然に頭の中で中島みゆきさん作詞作曲の「ホームにて」という楽曲が頭に流れてきていました。ですので、個人的にバック音楽として流しながら観ていました。

実は、この映画にたどり着くまでに二つの映画を最初の10~15分くらでやめているのですが、その2つをやめてこれにして正解でした。無理して我慢して映画を観るのは苦痛以外のなにものでもありません。しかし、二つ目を途中でやめるのはなんとなく後ろめたい気持ちがするものです。不思議ですね。

三つ目にたどり着いた今作品ですが、僕は「綾瀬さんが玉木さんに電話するところ」で、不覚にも涙してしまいました。特段感動する場面でもないようですが、物語の展開的に心を持って行かれたのですね。ちなみに、あんな森の中に公衆電話があるのはちょっと変でしたけど…。

それにしても、玉木さんは若いとき、すごいイケメンだったんですね。知りませんでした。物語的には最後のほうはまるでおとぎ話、ファンタジーの世界でしたが、それを補ってあまりある内容だったと思います。僕もこんな恋がしたいなぁ、、、と言ったら怒られるかしら…。

それでは、さよならさよなら。

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