ミス・ワイフ

2015年製作/124分/G/韓国
監督:カン・ヒョジン
出演者:オム・ジョンファ、ソン・スンホン、キム・サンホ、ラ・ミラン、

あらすじ
ヨヌ(オム・ジョンファ)は負け知らずの優秀な弁護士で、ブランドが好きな未婚の女性。彼女は長年の夢だったニューヨークへの異動の知らせを受ける直前に交通事故に遭う。ひん死のヨヌの前にイ所長(キム・サンホ)が現れ、1か月他人の人生を生きるなら全て元通りにすると言ってきて……。

解説: 『悪魔は誰だ』などのオム・ジョンファと『情愛中毒』などのソン・スンホンが共演を果たした、敏腕弁護士がいきなり2人の子持ちの主婦に変身するラブコメディー。

正直に言いますと、観始めてから30分くらいは物語に入り込めなくて少しばかり後悔していました。しかし、“やはり”というか“さすが”と言いますか、段々とひきこまれていき、最後は満足感が広がっていきました。これまで同様、韓国映画に「はずれ」はありません。

「後悔」をした理由は、展開がありきたりなように思えたからですが、終わりに向かって回収していく過程では「ありきたり」という気分よりも、わかっていながら涙がこみあげていく気持のほうが強くなっていました。

数年前に韓国映画では「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞を受賞しましたが、映画で描いている内容はこの映画と同じなように思います。つまり、格差社会と言われる韓国の庶民の生活を描いているのですが、裏を返せばブルジョア層の傲慢さを批判する内容です。実際、この映画でも主人公は最初、嫌みで傲慢な弁護士の人生を生きているのですが、少しずつ優しい人になっていきます。

こうした映画が製作されるということは、その前提として傲慢な人よりも人間味あふれる人物像が理想の姿とする考え方が根底に必要です。その意味で言いますと、格差社会と言われながらも、韓国の人たちは謙虚で心優しい気持ちの持ち主を理想と思っていることになります。日本社会も「格差社会が広まってきている」と実感しますが、人間性だけは失わないことを願っています。

それはともかく、この映画の内容について感想を書きますと、「最後の最後に出会ってよかった」です。

それでは、さよならさよなら。

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