この世界の片隅に

2016年製作/126分/G/日本
監督:片渕須直
第40回 日本アカデミー賞(2017年)
声優:のん

あらすじ
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。

解説: 「長い道」「夕凪の街 桜の国」などで知られる、こうの史代のコミックをアニメ化したドラマ。戦時中の広島県呉市を舞台に、ある一家に嫁いだ少女が戦禍の激しくなる中で懸命に生きていこうとする姿を追い掛ける。

アカデミー賞を受賞していますので、評価が高いということを予備知識として持っていたことで逆に身構える気持ちもありました。「いい映画」ということなのですが、予告編などを見ていた感想としては、正直、あまり期待をしていませんでした。

観るに際しに映画サイトで少しばかり調べたところ、この作品は漫画としての原作があることを初めて知りました。そうした知識を得てなお、少し身構える気持ちにもなったのですが、観始めての感想は以前週刊誌で連載していいた西岸良平さんの作品『三丁目の夕日』のような感じと想像していたのですが、その理由は解説などで「普通の人の暮らしを描いている」と書かれていたからです。

この「「普通の人の暮らし」という部分に強く引っ張られてしまい、生活が淡々と描かれていると思ってしまっていました。そうした思い込みもありましたので、上映時間が長すぎる感じを持っていました。ところが、作品は単に「生活を映画いている」だけではなく、きちんとしたドラマも描かれていて、実は最後のほうでは涙を流した場面もあります。

本当に僕は面白く感動したのですが、ほかの年代の人は本当に心から映画に入り込めたのか、と少しばかり訝しんでいます。本当に映画に感動したなら選挙の投票率がもっと高くなってしかるべきと思うからです。

ドラマの面としては、自分の愛する夫がかつて本気で好きになった風俗関係の女性との関係のところはとても面白かったです。十分映画になっていました。
映画が公開されるときの解説文とかキャッチコピーは、実際の映画の内容と少しばかり合っていない印象ですが、どうなのでしょう。

最後になりますが、アカデミー賞を受賞するだけの作品でした。

それでは、さよならさよなら。

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