1998年製作/181分/アメリカ
監督:マーティン・ブレスト
出演者:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォーラニ、ジェイク・ウェバー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジェフリー・タンバー、
あらすじ(映画.comより引用)
大富豪パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)のもとに、突如として一人の客が現れる。ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)と名乗るその男は、実はパリッシュを迎えに来た“死神”であり、ついでに彼を案内人として人間界を見学しに来たのだった。娘のスーザン(クレア・フォラーニ)は、ジョーの姿を見るなり驚く。彼は、かつて街で偶然出会い、心を通わせた青年に瓜二つだったからだ。実際、ジョーはその青年の亡骸を借りてこの世に降りてきたのである。やがて、スーザンとジョーは次第に惹かれ合い、恋に落ちていく。人間の恋愛を知ったジョーは、彼女をあの世に連れて行こうと葛藤する。そして、苦悩の末にパリッシュとともにこの世を去る決意をする。ラストでは、彼らと入れ替わるようにして、かつてスーザンと出会った青年が再び彼女の前に現れるのだった。
タイトルだけは以前から耳にしており、「面白い」という評判も知ってはいましたが、なかなか観る気になれずにいました。ところが、ある記事でこの映画が紹介されていて、その紹介文がとても魅力的だったため、「ついに観た」という感じです。
期待値が高いと、どうしても構えてしまうものですが、本作は「出だし」が非常によく、そのおかげで緊張感がほぐれ、自然に作品の世界に入り込むことができました。そう、「出だし」がいいんですよね!
正直なところ、中盤はやや冗長に感じられ、少し間延びした印象もありましたが、後半に入ってからはテンポが良くなり、グッと惹き込まれました。ストーリーとしては、後半に見られるブラッド・ピットとアンソニー・ホプキンスの主従関係の入れ替わりが交互に展開される点が、非常に見応えがありました。
ヒロインの演技に関して言えば、スーザンが「ジョーが自分の知っている人物とは違う」と悟った瞬間の表情がとても印象的でした。そして、その場面でのブラッド・ピットの演技も見事で、善人の顔から死神の顔に切り替わる瞬間の変化は、なんとも言えず素晴らしかったです。当時のブラッド・ピットはまだ新人の部類だったかと思いますが、すでに演技力は際立っていたのではないでしょうか。そういえば、かつて彼が「ハリウッドにはイケメンは山ほどいる。そこから先は努力次第」と語っていたのを思い出しました。
後半は誕生パーティーのシーンに移りますが、観ながらなぜかトランプ大統領の姿が頭に浮かんできました。それにしても、アンソニー・ホプキンスという俳優は本当に幅広い演技ができる人だなと、改めて感心させられました。
また、現世とあの世を「橋」で区切るという演出も秀逸でした。「橋」の向こうからブラッド・ピットが歩いてくるシーンは、構成としても映像的にもよく考えられていて、とても印象に残りました。まさに、全盛期のハリウッド映画らしい一幕だったように思います。
それでは、さようなら。さようなら。