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明け方の若者たち

昔と言っていいか微妙ですが、今から20年くらい前に「ケータイ小説」というジャンルが生まれたことがあります。今では懐かしい言葉ですが、スマホが誕生する前の携帯電話「iモード」で発表された文芸作品です。「ケータイ小説」の人気が沸騰するきっかけとなった作品が「Deep Love」という小説です。女子高生に圧倒的に人気があったのですが、文芸界からは距離を置かれていた作品でした。

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ラストレター

広瀬さんは本当に適役だったのですが、この映画は全体的に配役の妙を感じます。森七菜ちゃんのアップの涙も秀逸!でしたし、小室等さんがまさか出てくるとは思いもしませんでした。豊川悦治さんはあの役にピッタリでしたし、その女房役の中山美穂さんもうらぶれた水商売の女をこなしていました。 後半で、福山さんがかつての校舎を歩いているときに、偶然元恋人の娘さん(広瀬すずさん)に会うのですが、そのとき初めて会ったにもかかわらず、娘さんが福山さんを言いあてる場面があります。

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青天の霹靂

映画全体に昭和の匂いがプンプン漂っているのですが、これは劇団ひとりさんが昭和に魅力を感じているからのように思います。僕はまさに昭和の中枢を生きてきた人間ですので、その魅力に取りつかれましたが、ほかの人たちはどうなのでしょう。しかし、興行成績もそれなりに好成績を上げていますので成功の範疇に入るのではないでしょうか。

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不器用なふたりの恋/フェア・ラブ

今の時代はパパ活が流行っていますが、エロい目的もあるでしょうが、純粋に若いこと仲良くなりたいという、つまりこの映画ような気分に浸りたくて「パパ」をやっているオジサンもいるのではないでしょうか。服装が意外にあの年代で、それとなく、またはさりげなく「おしゃれ」を楽しみたい感覚のおじさんが着そうな感じの服が多かったように思います。

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顔のないヒトラーたち

この映画を観ていますと、歴史上に存在するさまざまな人間模様を考えさせられます。現在、ウクライナがロシアによって侵攻されていますが、当初ドイツは支援を「ヘルメットだけ」にしたことで顰蹙を買っていました。世界から非難されたことですぐに修正しましたが、現在の国際社会におけるドイツの位置、民主主義に対する考え方は、この映画が描いている裁判により構築されていったのではないでしょうか。

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キーパー ある兵士の奇跡

この映画の核心は「懺悔」ではないでしょうか。後半で奥さんが「自分を憐れんでいる」という場面がありますが、懺悔って、もしかしたら「自分を許すための手段」に過ぎないように感じました。その意味で言いますと、被害者はなんの報われもないことになってしまいますが、人生ってそういうものかもしれません。実際のところはわかりませんが…。

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ちょっと思い出しただけ

この映画を少しばかり分析しますと、社内での会話が多いことでアカデミー賞を受賞した「ドライブマイカー」を思い出しました。また、池松さんと伊藤さんが一緒に住むようになってからすれ違いが生じて言い争う場面では、現在公開されている「わたし達はおとな」という映画を思い起こしていました。もしかしたら、今、映画界ではごく普通の男女がすれ違いで言い争うのが流行っているのかなぁ…、などと思った次第です。

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前科者

この映画では刑事役の磯村さんが重要な役ですが、磯村さんはこの世代の俳優さんの中で、知らぬ間に頭一つ抜きんでた存在を発揮しているように思います。石橋静河さんが有村さんを支える役柄で出ていましたが、最後に名前を見るまでわかりませんでした。最後の場面でも登場しましたが、少し無理感があるように感じたのが正直なところです。

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友情にSOS

また、この映画を理解するうえにおいても町山さんの解説はとても有意義でした。おそらく町山さんの事前の解説がなかったなら、物語の出だしの意味が理解できなかった可能性があります。それと関連して思ったのですが、米国に住み、差別を日々感じているのであろう、だからこそ実感しているであろう町山さんだからこそのこの映画の感じ方ともいえそうです。やはり、日本に住んでいる人では感じ方が違うと思いました。

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先生、私の隣に座っていただけませんか?

話を戻しますと、この映画の面白さは純粋な面白さで、観始めて声を出して笑っている僕がいました。誠に、久方ぶりで声を出して笑ったような気がします。それほど面白かったのは柄本さんの演技が素晴らしかったからですが、柄本さんは「火口の二人」ではエロティックな役を演じていましたし、正直に告白しますと「いいなぁ」「羨ましいなぁ」と思ったりしたのですが、それはともかく柄本さんは演技力が半端でない印象です。