2018年製作/119分/日本
監督:白石和彌
出演者:門脇麦、井浦新、山本浩司、岡部尚、大西信満、
解説・あらすじ
2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。
(映画.com より引用)
解説にありますように、端的に言いますと「60年代後半の青春群像劇」、さらにいうなら「マニアックな映画」です。僕の年代よりも一世代上の方々の物語ですが、そうした年代の人、そういう世界に興味を持っていた人には、僕よりももっと刺さる映画ではないでしょうか。
描いている内容が、69年ですので、撮影は大変だったろうと想像します。外でのロケですと、当時の雰囲気のする場所や地域がなかなかないはずだからです。少しでも最近の雰囲気が感じられると、映画が白けてしまうと思いますので、その大変さに興味が向かいました。
当時は混とんとした社会だったと想像しますが、僕の世代でギリギリわかりますが、僕よりも下の世代ですと今一つピンとこないと思います。映画の中で登場人物が静かな歌を口ずさむ場面が幾度かあるんですが、そうした場面を見ていますと、僕などは昭和を感じてしまいます。それはともかく、若い人たちが「ピン!とこない」分、この映画は興行的に厳しかったのではないか、と勝手に心配しています。
僕は「note」という投稿サイトをよく見ているのですが、今そこで「【小説】一九八二年、僕はエロ本の出版社に入った」という連載物を読んでいます。タイトルにあるように「エロ本」界隈の青春物ですので、とても楽しく読んでいるのですが、時代的にいいますとこの映画よりも10年くらいあとの時代ということになります。ですが、僕の感じではこの2つの作品は、どこか根底でつながっているように思えます。青春って、なにか物悲しく、暗い雰囲気がありますよね。
映画の途中で、夜中のプールで女性ふたりが泳ぐ場面があるんですが、斉藤和義さんに「真夜中のプール」という楽曲があるのですが、「真夜中のプール」は青春物の風物詩の一つです。なんか青春を感じさせるものがあります。
主人公は門脇麦さんなのですが、こういう映画に門脇麦さんはとても適任という感じでした。そのほかにも、癖のある役者がたくさん出ているのですが、若松プロダクションの魅力がなさせているように思います。
若松監督の役を井浦新さんが演じているのですが、井浦さんが若松作品にたくさん出ていたのは今回調べて初めて知りました。井浦さん自身もとても癖のある方ですが、井浦さんで僕が一番覚えているのは、今から4年前に起きた「黒川検事長総長騒動」です。覚えている方も多いでしょうが、「本来定年だった黒川氏を検事総長にするために、安倍政権が定年延長を画策した」と批判されました。
この騒動の発端はその画策を批判するツイッターですが、その際に芸能界で最も早くツイートしたのが井浦さんだった、と僕は記憶しています。芸能人でも政治に関心を持っていることの尊敬の念を抱いたのですが、出演している作品などを見ていますと、単なる俳優ではない印象を持っています。
映画の中でパレスチナ人について語る場面がありますが、ちょうど今パレスチナの人たちがイスラエルの攻撃で悲惨な状況になっていますので、僕がたまたまこの映画を観たのもなにか因縁めいたものを感じる、と言っては大げさでしょうか。
この映画に荒井晴彦さんが登場するのですが、この方は「火口の二人」の監督さんだと思うのですが、この映画を観ていますと、「火口の二人」の作り方がなんとなくわかるような気がしてきたのが不思議です。
昭和の人は懐かしさを感じながら観たのではないでしょうか。
それでは、さよならさよなら。
口ずさむような歌い方をする場面があるが、昭和の映画を思わせる