そこのみにて光輝く

2014年製作/120分/R15+/日本
監督:呉美保
出演者:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平

解説
芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。「オカンの嫁入り」の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。

あらすじ
仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。

主演の綾野剛さんは現在ガーシーさんの暴露話で注目されていますが、それはさておき綾野さんと聞きますと、なんとなく「尖っている」印象がありました。「尖っている」というよりも「こだわりが強い」といったほうがふさわしい感じですか。役になりきる努力をしている役者というイメージがあります。

映画ではそうした雰囲気が伝わってきました。この映画が作られたのは今から9年前ですが、やたらとタバコを吸うシーンが多いのが目につきました。9年前はすでに禁煙が時代の流れになっていたように記憶していますが、よく考えますとこの映画が描いている時代がもっと古い時代のなのかもしれません。

9年前と言いますと、今では演技派として立派に認められている菅田さんがまだ新人という立場だったと想像します。ですが、すでにこの時期から演技力が素晴らしかったことがわかります。終わりのほうは、菅田さんの演技力が光る場面がたくさんありました。

実は数週間前、フジテレビの日曜早朝に放映されている「ぼくらの時代」というトーク番組に綾野さんが出演していました。元V6の岡田准一さんと映画監督さんと3人での出演だったのですが、綾野さんが昔のイメージとはかなり違い、話し方とかたたずまいが落ち着いた雰囲気になっていました。いわゆる「丸くなった」という表現が当てはまりますが、年齢のせいでしょうか。僕としてはとてもいい印象がしました。

妻から聞いたのですが、綾野さんの奥様は佐久間由衣さんという今の朝ドラで主人公の姉役で出演している方だそうです。佐久間さんについて僕はあまり知らなかったのですが、すでにかなり有名な方のようです。

この映画で綾野さんの相手役に池脇千鶴さんが出ていましたが、池脇さんは子役で有名だった方で久方ぶりの映画だったように思います。全裸の場面も幾つかありましたのでかなりの覚悟があったのだろうと想像します。子役の方が大人になりますと、どこかで区切りをつけないと女優としていきていけないのかなぁ、と思いながら観ていました。

それにしても火野正平さん。存在感あるなぁ。

それでは、さよならさよなら。

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