弁護人

2013年製作/127分/G/韓国
監督:ヤン・ウソク
出演者:ソン・ガンホ、イム・シワン、キム・ヨンエ、クァク・ドウォン

あらすじ
1980年代初頭の韓国・釜山。高学歴ではないが目覚ましい活躍を見せている税務弁護士ソン・ウソク(ソン・ガンホ)は、ある日、昔なじみのクッパ店の息子ジヌ(シワン)が裁判を控えていると聞き、拘置所へ面会に行く。ある事件に巻き込まれたというジヌの信じがたい姿を見て、ウソクは何人もの弁護士が断った事件の弁護を請け負うことにする。
(シネマトゥデイより引用)

最初のほうの映像は、正直セットが見え見えな感じでチャチに感じました。しかし、観ていくうちにどんどん引き込まれていったのですが、さすが韓国映画の真骨頂という感じです。真骨頂とは、脚本のことですが、誠に脚本が素晴らしい。

終盤のどんでん返しで、結局は中間に落としどころがあったのですが、この話は実話だそうで、こうした終わり方のほうが現実的で好感です。僕は以前、光州事件を題材にした映画も観ましたが、こういう社会的な事実というかテーマを映画にしている韓国は、日本よりも社会に対する関心が強い印象があります。ちなみにその映画でも主演はソン・ガンホさんでした。

韓国は今でも徴兵制がありますが、北朝鮮という安心できない隣国の存在が政治に関心を持たせる理由になっているように思います。この映画の中でも言っていましたが、北朝鮮とは戦争が終わっているのではなく、あくまで休戦状態です。そうした緊張状況の中で、サムソンなどIT業界が発展したのはすごいことだと思いました。

こうした映画を観ますと、韓国という国家の難しさを考えさせられます。かつては軍事政権だったのですが、よくぞ民主化が実現できたものです。現在、アフガニスタンでは政権が崩壊しましたが、その一番の理由は政権が国民から支持される、認められる政権を作れなかったからです。

もっと簡単に言ってしまいますと、だれもきちんとした国家を作ろうという意志を持っていなかったことが根底にあります。米国が撤退したのも詰まるところはそこに原因があります。自ら「国家を作ろう」という意志がない国を、いくらサポートしたところで国家になるはずはありません。それに比べますと、韓国は「自分たちの国を作る」という強い意志があったことが現在の韓国を作った要因といえそうです。

現在、日本と韓国の関係はあまり良好とはいえませんが、時間が解決してくれると信じています。間違っても、縁を切るようなことがないように願っています。

いつも書いていますが、僕は定期的に韓国映画を観たくなりますが、「はずれ」がないのがその理由で、今回も満足しています。それにしてもソン・ガンホさんは存在感がありますねぇ。

それでは、さよならさよなら。

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