嘘八百

2018年製作/105分/G/日本
監督:武正晴
出演者:中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、加藤雅也

あらすじ
鑑識眼はあるが、なかなかお宝に出会えない古物商の則夫(中井貴一)は、娘のいまり(森川葵)を車に乗せて千利休の出生地である大阪府堺市にやってくる。彼はある蔵つきの屋敷へと導かれ、その家の主人らしい佐輔(佐々木蔵之介)と出会う。佐輔は則夫に蔵を見せることにし……。

最後の最後のどんでん返しを観ていて、僕は僕が一番好きな映画「スティング」を思い出しました。「スティング」は1973年製作の米国映画ですが、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが主演した映画です。今回の「嘘八百」の終わりのほうで、観客を最後にもう一回引っ掛けるという点が、「スティング」っぽい印象を受けたからです。

それにしても、中井貴一さんは演技の天才ですね。僕はNHKの「サラメシ」と番組を見ているのですが、そこで語りをしているのも中井さんです。あるときは重厚に、そしてあるときは軽妙に、自由自在に語りを操っている様は俳優の鑑ではないでしょうか。

あと印象に残っているのは加藤雅也さんのコミカルな演技です。加藤さんはモデル出身ですが、俳優に転身してすぐのころは「イケメン」路線を模索していたように思います。米国にも進出していましたが、日本に帰って来てからどんな役でも引き受ける覚悟ができたように見受けられます。

モデルからの転身で最も成功しているのは阿部寛さんでしょうが、みんながみんな主役になれるわけでもありません。そのあたりを受け止めたからこその、現在の加藤さんの立ち位置ではないでしょうか。そんなふうに見えます。

僕の推測ですが、もしこの作品が大ヒットしたなら続編も製作されていたのではないでしょうか。残念ながら、そのような話を聞きませんので、興行的には今一つだったのかもしれません。しかし、狙いは悪くないので、きっかけさえあれば「コンフィデンスマンJP 」のようにシリーズ化も夢ではないかもしれません。

それでは、さよならさよなら。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする