明け方の若者たち


2021年製作/116分/R15+/日本
監督:松本花奈
出演者:北村匠海、黒島結菜、

あらすじ
明大前の沖縄料理屋で開かれた飲み会に退屈していた僕(北村匠海)は、彼女(黒島結菜)を見て一瞬で心を奪われる。やがて付き合い始め、本多劇場で観た舞台や旅行など、彼女と共に過ごすひとときは幸福に満たされていた。一方で社会人になった僕は、思い描いていた未来との大きなギャップに苦悩していた。

僕は60代半ばの年齢なのですが、この映画を観ていて驚いたのは、僕が学生だった45年前とほとんど変わらない学生生活、新社会人の形態が描かれていたことです。しかも、当時僕が学生街と思っていた明大前や高円寺が今の時代も学生街となっていることにも驚きました。

これはある意味、「すごい!」ことです。なぜなら明大前と高円寺が若者にブランドとして定着していることの証だからです。少し考えればわかりますが、どんなヒット商品もせいぜい5~6年が賞味期間です。それを50年近くも賞味期間を継続できているのですから、いかに「すごい!」かがわかると思います。

物語的には、僕からしますと「ありふれた」展開のように思いますが、こうした展開はこれまでに幾度も見てきたように思います。そこで原作者を調べましたところ、いわゆるWEBライターの方の長編小説デビュー作となっていました。これは僕の推測ですが、文芸の本場の方たちからしますと、ちょっとランクが一つ下と思っているのではないでしょうか。

昔と言っていいか微妙ですが、今から20年くらい前に「ケータイ小説」というジャンルが生まれたことがあります。今では懐かしい言葉ですが、スマホが誕生する前の携帯電話「iモード」で発表された文芸作品です。「ケータイ小説」の人気が沸騰するきっかけとなった作品が「Deep Love」という小説です。女子高生に圧倒的に人気があったのですが、文芸界からは距離を置かれていた作品でした。別の言い方をするなら、「小説とは認められていない」ことを意味します。しかし、書籍化も映画化も大成功した作品でした。なぜその本を思い出したかと言いますと、僕の中では「明け方の若者たち」も同じような雰囲気を感じたからです。

それはともかく、原作が現在の若者に支持されたのは間違いなく、だからこそ映画化もされたのでしょうし、それなりにヒットもしたのではないか、と思います。製作されたのが2021年となっていますが、その頃は菅田将暉さんと有村架純さん主演で大ヒットをした「花束みたいな恋をした」も製作されています。この映画でも二人が出会うのが明大前駅で、二人が同棲するのが調布となっています。もしかしたなら、今の時代は京王線沿線が若者に人気になっているのかもしれません。ちなみに、高円寺は中央線です。

「花束みたいな恋をした」もアマゾンプライムで無料で観られるようにならないかなぁ…。(^_-)-☆

それでは、さよならさよなら。

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