黒い司法0%からの奇跡

2020年製作/137分/G/アメリカ
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演者:マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソン、

解説:あらすじ
冤罪の死刑囚たちのために奮闘する弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を、「クリード チャンプを継ぐ男」「ブラックパンサー」のマイケル・B・ジョーダン主演で映画化したヒューマンドラマ。
黒人への差別が根強い1980年代の米アラバマ州。犯してもいない罪で死刑宣告された黒人の被告人ウォルターを助けるため、新人弁護士のブライアンが立ち上がるが、仕組まれた証言や白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の困難に直面する

出だしで、死刑がこれから1年ないことを聞いた囚人の表情がピカイチ!この場面だけでこの映画を観ようという気持にさせる。解説にあるとおり、この映画は黒人差別と冤罪を追及する映画ですが、このような映画を作れること自体が、アメリカの一番の長所だと思います。なにしろよく考えるなら、この映画は「米国の暗部」を描いているのですから、言葉を変えるなら現体制の批判です。それを描くこと、批判することを堂々とできるところが、米国のまさしく「長所」にほかなりません。

言葉を変えるなら「米国の強さ」です。

演技力で凄い!と思わさせられたのは、最初のほうで主人公の黒人弁護士に身体検査をする若い刑務所の署員です。この段階では、簡単に言ってしまいますと「悪い奴」なのですが、後半の場面で黒人囚人の有罪の根拠が消滅したあとから雰囲気が「良い奴」になります。本当に微妙なのですが、それを雰囲気だけで観客にわからせるのを「演技力」といわずなんと言いましょう。

この映画はフィクションではなく「事実に基づいている」と最初に表示されるのですが、映画にはそうした記録を残しておくという力があります。昨今のニュースで子供が起こした事件の記録が廃棄されていると報じられているだけに、このような映画はとても重要であり、貴重だと思いました。

ネタバレになりますのであまり詳細は書けませんが、一度助かりそうになりながらそうならなず、それでもあきらめないところが、人生は「最後まであきらめるな」と教えてくれているようです。

最後の審理で弁護人が述べているときにこみあげるものがあった。すごい演技力!

それでは、さよならさよなら。

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