87分の1の人生

2023年製作/128分/アメリカ
監督:ザック・ブラフ
出演者:フローレンス・ピュー、モーガン・フリーマン、セレステ・オコナー、モリー・シャノン、チナザ・ウチェ、

<あらすじ>
交通事故を起こし、婚約者の姉夫婦を死亡させてしまった女性とその父親の葛藤を描いた作品。依存症を主題にしながら、人間愛、人間の本質を問いかける作品です。

アリソンは事故を起こして人を死なせてしまった。彼女は薬物依存症になって苦しみ、被害者遺族も苦しんだ。被害者遺族は、突然の不幸を受け入れることができない。しかし、互いに憎しみ合っていても仕方がないと前を向いて事実と向き合う。

見出しの画像に映っている出演者は、モーガン・フリーマンさんはわかったのですが、主人公の人が、少年なのか少女なのか、はたまた大人なのか子供なのか、わかりませんでした。ですので、観はじめてからある程度時間がすぎるまで、物語の大雑把な展開を理解できず困惑しました。

話が分かりにくかった理由は、出だしの30分が二つの家族を交互に描いていたこともあります。また、主人公の顔が少年のように見えたことと、自転車に乗っていたことも関係しているかもしれません。僕の感覚では自転車に乗るのは少年と決めている部分があるからです。そのような始まりでしたが、話が進むうちに惹きこまれていきましたので、間違いなく作品レベルは高いという印象です。ですが、映画サイトでの評価はイマイチでした。

話の内容を一言で言うなら「依存症の話」ということになりますが、最後のほうで人間の持っている心の闇に焦点を合わせていたところが見応えがありました。人は無理に「いい人間を演じていられるほどできた生き物ではない」と痛感させられます。薬やお酒に比べますと、それほど大変ではありませんが、僕自身の禁煙のときの体験を思い出しました。

観始めた頃は、正直、ここまで感動するとは思いませんでしたが、特に残り30分は惹きこむ力が強かった印象です。人間のエゴを丸出しにする演技は迫力満点。この場面だけで、観た価値があると思いました。正直に言いますと、最初の15分くらいを過ぎたあたりでは、やめようかどうか迷っていたんですよね。

でも、最後まで観て感動したので、とても満足です。人間って、本質は善人じゃなく、もっと醜いんだよ…。

それでは、さよならさよなら。

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