レイディオ

2020年 SKIPシティ国際Dシネマ作品 国内コンペティション 短編部門
監督:塩野峻平
出演:加藤隼也、松岡美優、吉井純平、石井佑治

あらすじ
深夜ラジオを聞くことが趣味の地味でモテない大学生の加藤は、学部のゼミで同じラジオを聞いている女性・松岡と出会う。夢もなく、友人もいなかった加藤に、松岡は「後悔しない生き方」をしたいと言った。加藤は真っ直ぐ生きる松岡に次第に惹かれていくも、彼女が自分とは違う世界で生きていることを知る。

詳しくはわからないのですが、この作品はいわゆるインディーズという括りになるのでしょうか。時間的にも1時間くらいで商業映画でないことは確かなようです。それでも十分に楽しめて、感動できる作品でした。

映画を観て、最初に思ったのは大学の授業風景でした。今から40年以上前の僕が学生だった頃の講義風景と全く変わっていなかったのが不思議な気持ちになりました。大きな教室にまばらな学生が、ときに授業と関係ないことをやっていたり、机に伏していたりしていましたが、40年間大学というところは変わっていないのですね。

折しも、日大の理事長が逮捕された事件が報じられていますが、大学は入学さえすればあとはあまり価値のないところなのかもしれません。また、就活サイトのマイナビが学歴差別を行っていたようなことも報じられていますが、今も昔も大学は偏差値で価値が決まるのは変わっていませんし、それは当然でもあります。

論破王として最近注目されている「ひろゆき氏」が学歴偏重を当然視する考えを表明していましたが、企業が採用に際して個人の能力を計る一つの目安が偏差値であるのは紛れもない事実です。なにしろ全く知らない若者を判断しなければいけないのですから、そのときは偏差値が目安になるのも仕方のないところがあります。

それはともかくとして、映画の中で流れるブルーハーツの「リンダリンダ」ですが、いかに当時の若者の、といいますか、現在の若者とも言えそうですが、若者の心を掴む歌を作っていたかを思い至ります。

以前、吉田拓郎さんがいい歌かどうかは売れた枚数よりも、どれだけ記憶に残っているかで決まると話していましたが、ブルーハーツの歌は「日曜日よりの使者」などのようにいつまでも心の中に残っている歌が多いのが特徴です。

この映画の主人公はプロの方ではないようなのですが、こんなに演技がうまい素人がいるのでしょうか。驚きです。また女性の主人公の松岡美優さんはネットで検索しても情報が出てこないのですが、この方もプロではないのでしょうか。坂道グループの誰かに似ているようにも思えますが、一般の方なのかもしれませんが、それにしては演技がうまいように思います。

映画の中で印象に残った言葉を最後の記することにします。

「君と一緒にいる時間が長くなればなるほど、話したいことが増えていくし、知りたいことも増えていく」松岡美優(映画「レイディオ」の主人公)

それでは、さよならさよなら。

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