先生、私の隣に座っていただけませんか?

2021年製作/119分/G/日本
監督:堀江貴大
出演者:黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、風吹ジュン

あらすじ
漫画家・佐和子の新作漫画のテーマは・・・「不倫」
そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、佐和子の担当編集者・千佳と不倫をしていた俊夫は、「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生との淡い恋へ急展開。この漫画は、完全な創作?ただの妄想?それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!?恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく・・・

僕はアマゾンプライムで映画を観るとき、どれを観るかで結構悩むのです。悩み過ぎると疲れてしまって、結局、それほど「観たい度」が高くない作品を選ぶことがあるのですが、この映画もそれでした。

ところが、ところが、あに図らんやとっても面白かったです。「面白い」にも「興味を持った」とか「共感した」とか、いろいろな意味がありますが、この映画に対する「面白い」は純粋の意味で「面白かった」です。

小学校の頃、森山先生はこれから面白い話をします、と言って話しだしました。

うちの近所に身体中が白い犬がいるんだけど、その犬は頭も白いし、耳も白いし、胴体も白いし、尾も白いんだ。…「尾も白い」話でした。

ジャンジャン。

話を戻しますと、この映画の面白さは純粋な面白さで、観始めて声を出して笑っている僕がいました。誠に、久方ぶりで声を出して笑ったような気がします。それほど面白かったのは柄本さんの演技が素晴らしかったからですが、柄本さんは「火口の二人」ではエロティックな役を演じていましたし、正直に告白しますと「いいなぁ」「羨ましいなぁ」と思ったりしたのですが、それはともかく柄本さんは演技力が半端でない印象です。

同じことが黒木さんにも言えるのですが、顔のアップが多い映画だったのですが、それでいて自然感や微妙な心の動きを表現できていたのは「さすが!」といった感じです。この映画は演技力がある人でないとできない映画ですよね。奈緒さんという方たは、永作博美さんに似ていると思った次第です。

タイトルの印象では原作が漫画という感じを受けていましたが、実際は監督さんのオリジナルでした。物語の展開では、最後のどんでん返しは感動を感じましたが、最後の最後の大どんでん返しは、、、正直なところ、余計だったのではないか、…と。

映画の中で印象に残ったセリフ「なんか怒ってる? 黙ってるから」。これは結婚して5~6年過ぎた夫婦なら心にグサリとくる言葉ではないでしょうか。思い当たる人多いんじゃないかしら。なんで、女言葉なんだろ…。

それにしても漫画家さんて凄いですよね。なんと素晴らしい才能と思わずにはいられません。映画は脚本家がいて、俳優さんがいて、撮影する人がいて、その他スタッフがいますが、漫画は基本的には一人で作る作業です。もちろん、売れっ子になりますとアシスタントさんがつきますが、そこに行く着くまではたった一人で作るのです。

これを天才と言わずなんと言いましょう。

それでは、さよならさよなら。

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