感想一覧

NO IMAGE

ある過去の行方

サスペンス調と書きましたが、そのどんでん返しがセリフだけで行われているのが新鮮でした。物語の前半部分では親子関係が描かれ、最後のほうでは夫婦のトラブルに話の中心が移っていくのですが、「それが観ていて心地よかっ」たというと変ですが、そうした話の展開が観る人を飽きさせなかった一つの要素のように思います。

NO IMAGE

ローマに消えた男

さすが!と思わせたのが、外見といいますか、存在感だけで魅力が伝わってきた女優の方々でした。政治家の奥さん役のミケーラ・チェスコンさんと元恋人役のヴァレリア・ブルーニ・テデスキさんは、どちらも見ただけで魅力を感じました。男優陣でも参謀役のヴァレリオ・マスタンドリアさんは見事に裏方の役回りを演じていたように思います。

NO IMAGE

明け方の若者たち

昔と言っていいか微妙ですが、今から20年くらい前に「ケータイ小説」というジャンルが生まれたことがあります。今では懐かしい言葉ですが、スマホが誕生する前の携帯電話「iモード」で発表された文芸作品です。「ケータイ小説」の人気が沸騰するきっかけとなった作品が「Deep Love」という小説です。女子高生に圧倒的に人気があったのですが、文芸界からは距離を置かれていた作品でした。

NO IMAGE

ラストレター

広瀬さんは本当に適役だったのですが、この映画は全体的に配役の妙を感じます。森七菜ちゃんのアップの涙も秀逸!でしたし、小室等さんがまさか出てくるとは思いもしませんでした。豊川悦治さんはあの役にピッタリでしたし、その女房役の中山美穂さんもうらぶれた水商売の女をこなしていました。 後半で、福山さんがかつての校舎を歩いているときに、偶然元恋人の娘さん(広瀬すずさん)に会うのですが、そのとき初めて会ったにもかかわらず、娘さんが福山さんを言いあてる場面があります。

NO IMAGE

青天の霹靂

映画全体に昭和の匂いがプンプン漂っているのですが、これは劇団ひとりさんが昭和に魅力を感じているからのように思います。僕はまさに昭和の中枢を生きてきた人間ですので、その魅力に取りつかれましたが、ほかの人たちはどうなのでしょう。しかし、興行成績もそれなりに好成績を上げていますので成功の範疇に入るのではないでしょうか。

NO IMAGE

不器用なふたりの恋/フェア・ラブ

今の時代はパパ活が流行っていますが、エロい目的もあるでしょうが、純粋に若いこと仲良くなりたいという、つまりこの映画ような気分に浸りたくて「パパ」をやっているオジサンもいるのではないでしょうか。服装が意外にあの年代で、それとなく、またはさりげなく「おしゃれ」を楽しみたい感覚のおじさんが着そうな感じの服が多かったように思います。

NO IMAGE

顔のないヒトラーたち

この映画を観ていますと、歴史上に存在するさまざまな人間模様を考えさせられます。現在、ウクライナがロシアによって侵攻されていますが、当初ドイツは支援を「ヘルメットだけ」にしたことで顰蹙を買っていました。世界から非難されたことですぐに修正しましたが、現在の国際社会におけるドイツの位置、民主主義に対する考え方は、この映画が描いている裁判により構築されていったのではないでしょうか。

NO IMAGE

キーパー ある兵士の奇跡

この映画の核心は「懺悔」ではないでしょうか。後半で奥さんが「自分を憐れんでいる」という場面がありますが、懺悔って、もしかしたら「自分を許すための手段」に過ぎないように感じました。その意味で言いますと、被害者はなんの報われもないことになってしまいますが、人生ってそういうものかもしれません。実際のところはわかりませんが…。

NO IMAGE

ちょっと思い出しただけ

この映画を少しばかり分析しますと、社内での会話が多いことでアカデミー賞を受賞した「ドライブマイカー」を思い出しました。また、池松さんと伊藤さんが一緒に住むようになってからすれ違いが生じて言い争う場面では、現在公開されている「わたし達はおとな」という映画を思い起こしていました。もしかしたら、今、映画界ではごく普通の男女がすれ違いで言い争うのが流行っているのかなぁ…、などと思った次第です。

NO IMAGE

前科者

この映画では刑事役の磯村さんが重要な役ですが、磯村さんはこの世代の俳優さんの中で、知らぬ間に頭一つ抜きんでた存在を発揮しているように思います。石橋静河さんが有村さんを支える役柄で出ていましたが、最後に名前を見るまでわかりませんでした。最後の場面でも登場しましたが、少し無理感があるように感じたのが正直なところです。